声は声帯が空気によって振動することで発生します。
そして、声の高さや低さは声帯筋の緊張の度合いによって決まります。
声帯筋が緊張して張りつめると高くなり、弛緩すると低くなるのです。
一般的に成長するにつれて声が低くなるものですが、これは唾液の分泌量の減少による乾燥、
粘膜の構成成分の変化による水分量の低下など、様々な原因があります。
その中でも、もっとも大きな原因が加齢による筋力の低下です。
声帯は声帯筋をはじめとする声帯周辺筋肉によって開閉するので、
これらの筋力が低下すると、振動しにくくなって、低くしわがれてしまうのです。
また、女性の場合は閉経を境にホルモンバランスが大きく変わるため、
エストロゲンの分泌減少による声帯の男性化も原因になっています。
声帯筋の筋力低下と同時進行的に上気道構成筋も筋力が低下します。
この筋力の低下は、筋肉量の減少によって起こります。
筋肉には、瞬発力を発揮する「速筋」と持久力に優れた「遅筋」がありますが、
速筋線維の方がより多く失われていくため、加齢と共に素早い筋収縮ができなくなります。
そして、睡眠中に上気道構成筋が十分な筋収縮をせず、緩んだ状態が続くことによって、
空気の通り道が狭窄されて、発生するのがいびきです。
加齢によって筋肉量が減少する原因は、筋肉をあまり使わないことによって、
筋繊維が縮んでいくからです。
ということは、普段から定期的な運動をしていれば、
加齢による筋肉量の減少を抑制できるということです。
実際、高齢者でも運動能力の高い人はたくさんいます。
このような人たちは、やはり普段から運動を心がけている人たちですね。
そして、足腰同様、上気道構成筋も普段から意識的に動かすことで、
加齢による筋肉量の減少や筋力低下を抑えることができます。
いびきをかかないトレーニング法は、上気道構成筋の筋量・筋力の低下抑制はもちろん、
これらの筋力を高め、いびきを根本から改善するトレーニングです。
By ゴォー太郎